2018年02月23日

セルフケアのお灸を効かせるコツ

しんきゅうコンパスさんにコラムを書きました。

自前のブログやホームページと内容を重複させちゃいけないルールらしいので、リンクを張っておきます。

要点は“身体がちゃんと反応するだけの刺激を入れましょう”って事です。
あと、ツボの場所よりもこの刺激量の方が大事って事。

読んでみて下さい。

セルフケアのお灸を効かせるコツ
https://www.shinq-compass.jp/salon/column/646/23406/
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2018年02月19日

高岡市鍼灸マッサージ師会学術講習会に参加してきました。

 平成30年2月18日(日)13時30分〜16時の日程で、高岡市ふれあい福祉センターにて、高岡市鍼灸マッサージ師会の学術講習会が開催されましたので参加してきました。

 内容は、以下の通りです。

 第一部
 演題:高岡市民病院出前講座
    「今年もやってきた!
     〜インフルエンザ・ノロウイルスに感染しないためには?〜」45分
 講師:高岡市民病院 感染管理認定看護師 高原紀子先生

 第二部
 演題:「即効性がある巨刺の考えに基づいた治療法」90分
 講師:(公社)富山県鍼灸マッサージ師会会長 中野邦雄先生

 第一部の高岡市民病院出前講座は、感染症対策のお話でした。
 既に大流行しているインフルエンザ、そして冬場の食中毒の代表選手のノロウイルスについて概要と感染防止対策や治療についての解説を頂きました。

 インフルエンザは、感染から潜伏期間1〜5日、発症は3〜5日。
 学校保健法では、「発症した後5日を経過、かつ解熱した2日を経過するまで」は登校を控えるように定められているそうです。

 以下の1つでも症状があったら病院に掛かることが進められるそうです。
  38.0℃以上の急な発熱
  関節・筋肉の痛み
  呼吸困難、息切れ
  胸の痛みが続く
  嘔吐や下痢が続く

 感染予防としては、飛沫感染の予防としてインフルエンザにかかった人はマスクをつけてくしゃみ・せきでウイルスをまき散らさないように気をつける必要があるそうです。
 マスクは、隙間をつくらないようにしっかりとつける事が大切で、外す際はウイルスが付着しているマスク本体には触れずに耳にかけるゴムをもって外して速やかにごみ箱に捨ててしまうことが大事だそうです。

 また接触感染といって、くしゃみなどで飛んだウイルスは、壁や手すり、ドアノブなど生活空間で触れる場所に付着した場合に1〜2日生存しているため、それに触れた人が口や顔などをその汚染された手で触れることで感染する事があるそうです。

 これを防ぐには、インフルエンザウイルスはアルコールに弱いので、アルコールが含まれたウエットティッシュなどで拭き取ってやる事と、十分な手洗い・手指のアルコール消毒が有効だそうです。

 つまり、家庭内では、インフルエンザに掛かったご家族のお部屋やトイレなどをこまめにアルコールで拭き掃除をして消毒することや、こまめに手洗いをしておく事が大事になります。
 また、不特定多数の人が出入りする場所から帰ってきた場合も、できるだけ速やかに手洗いや手指のアルコール消毒をすることが大事になります。

 インフルエンザの治療には、抗ウイルス薬が使われますが、これは48時間以内の投与が望ましいそうです。
 その理由は、抗インフルエンザ薬は、ウイルスの増殖を抑えるお薬なので、ウイルスが大量に増殖してしまったとに投与しても効果が出せないそうです。
 インフルエンザウイルスは8時間で100個、16時間で10000個、24時間で100万個に増殖するそうなので、48時間も経過すると増殖を抑えることも難しくなるのだそうです。

 あとは基本的に安静にして水分をとって休む事が基本になるようです。

 ノロウイルスは、潜伏期間1〜2日、嘔吐・腹痛・下痢・発熱などの症状が出て、1〜2日で治癒するそうです。
 夏の食中毒はO-157などの細菌性、冬場の食中毒はノロウイルスが多いそうです。

 ノロウイルスは、乾燥やアルコールには強いウイルスで、アルコール消毒などでは十分に消毒できません。
 ただし、熱には弱いので85℃〜90℃以上で90秒以上加熱してやれば死滅するそうです。

 消毒には、次亜塩素酸ナトリウムを遣う事が推奨されます。
 身近な物としては、漂白剤のハイターが次亜塩素酸ナトリウムの5〜6%溶液だそうです。

 便や吐物がついた床やオムツなどの消毒には0.1%の溶液
 衣服や器具などのつけ置き、トイレの便座やドアノブ・手すりなどの消毒には0.02%溶液

 を使う事が推奨されるそうです。

 500mlの水にペットボトルのふたで2杯分のハイターを入れると0.1%溶液
 2リットルの水にペットボトルのふた2杯分のハイターで0.02%溶液

 になるそうです。

 ノロウイルスの感染防止対策も基本は手洗いで、30秒程度の流水洗浄が基本になるそうです。
 ちなみに、ハッピーバースディーの歌を2回歌うと30秒程度だそうです。

 また、手洗いの注意としては、とくに一番物に触れる指先が洗えてない事が多いそうです。
 ですので、必ず意識的に指先をしっかり洗う事、また親指は付け根から絞るようにしてしっかり洗う事が大事だそうです。

 石鹸は何をつかっても良いそうですが、固形石鹸は石鹸自体にウイルスが付着する事もあるので、ポンプ式の液体石鹸の方が無難だと思われます。

 感染防止の基本は、手洗いとうがい、とにかくウイルスを洗い流してしまうことが一番のようです。

 その上で、免疫力を落とさない為に十分な栄養と睡眠をとっておく事も重要になりますね。

 ちなみに、免疫力の向上には、お灸もとても効果的です。
 結核の治療にお灸を使って白血球を増やして成果をあげられた先生も古くはおられて、現在はその研究をもとに、イギリスのチャリティ団体がアフリカで結核の治療にお灸を普及していたりするくらいです。

 まだ寒さは続くようですので、インフルエンザ、ノロウイルス共に、十分にお気を付け下さい。

 第2部については、鍼灸師向けの講義内容ですので、割愛させて頂きます。
 ちなみに、第2部はネット配信させて頂きましたので、録画動画のリンクを張っておきます。

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2018年02月05日

今冬のホントの敵は雪より“低温”

 立春も過ぎたのに、また寒波がやってきました。
 富山市の今朝も雪で氷点下、道路は軽く圧雪になって凍っていましたね。

 どうしても、寒波が来ると “大雪”に目が奪われがちだと思いますが、今冬のホントの敵は、大雪より“低温”だと思います。

 富山では、最近雪も少なくなって除雪に慣れた方も減ってきていますが、それでも比較的“雪”への対応は慣れておられると思います。

 でも、今冬は富山市内ではあまり経験しない最高気温が氷点下という日も何日もありました。
 昭和49年生まれの私も、子供の頃は水道管が凍るから…と、水道の水を出しっぱなしにしていた記憶はありますが、日中でも氷点下のままで溶けないという経験はあまりしていません。

 富山は、雪は多いけど、気温はさほど下がらない土地だった筈なんです。
 だから、−5℃とか言われると、え?って話になりますし、北海道なんかと違って家屋も玄関をくぐれば全室廊下まで暖房で暖まるような構造じゃありません。

 当院も、古い農家さんの木造住宅を中古で購入させて頂いたので、基本的に断熱材は使われておらず、布壁や建具には隙間も多いので、暖房を消すと一気に冷え込んでしまう造りになってます。

 アパート・マンションや、最近の外張り断熱の造りのお家の中には、比較的温かいところもあると思いますが、それでも確実に例年よりも“室温も下がって”いるんです。

 このことに気付いて頂けていれば良いんですが、うっかり普段通りの生活をされていたら、確実に5℃前後低い室温に身体をさらしている事になりますから、ホントに芯から身体を冷やしている危険があります。

 特に、寝室の暖房は消して寝るのが当たり前という方は、室温を測るために温度計を買ってみて下さい。
 そして、枕元に温度計を置いて朝の室温を測ってみて下さい。
 ちょっとギョッとする温度になってるようなら、天気予報をよく確認して、明け方に冷え込む日は暖房を付けたままでお休みになる事も検討された方がいいかも知れません。

 お車で外を走っておられても解ると思いますが、こうも路面が凍るというのは、それだけ低温だと言う事です。
 それだけの寒さに身体をさらせば、当然身体から熱を奪われますから、身体は冷えますし、冷えるということはエネルギーのロスが大きいということですから、疲労もしますし消耗もします。
 ある程度元気な方なら、ちょっと調子悪いな〜くらいで済むかも知れませんが、ご高齢の方、持病をお持ちの方などは、普段以上に体調も悪くなる傾向にあると思います。
 いつも通りの生活をしている筈なのに、どうにも調子が悪いという時は、今このタイミングなら、身体が冷えている可能性が大です。
 すぐに低温対策を立てて下さい。

◯まず基本的なところから
 ・室温を感覚ではなく温度計を使って管理する(夏も推奨)。
 ・室温が低くなりすぎるならキチンと暖房を使う。
 ・汗をかかない程度に重ね着をする。
 ・床からの冷気を感じる場合は、布団の下や座布団の下、台所の足下などには“断熱シート”を敷いてみる。
 ・湯たんぽを使って見る(電気毛布より温かくて身体も乾燥させません)。
 ・外出時はマスクをする(呼吸でも体温は奪われます。マフラーに口元をツッコんでも良いです)。
 ・靴の中敷きにも断熱効果のある物を。
 ・長靴を過信して融雪の水なんかに長時間浸からない。ジワジワ冷えます。
 ・職場の環境も温度計などで確認する。また足下が寒いようなら断熱シートや湯たんぽで保温する。
 ・カイロは腰・お腹で前後でサンドイッチにするのが基本。足りないようなら太ももかお尻に追加。
 ・出来たらセルフケアでお灸もやってみると良いです。

◯入浴について
 ・そもそも入浴し過ぎない(身体を温めたいだけなら足湯がお薦め)。
 ・体力がある人は39℃のお湯で肩まで10分浸かる全身浴。
 ・全身浴だと苦しい方は半身浴が良いが、半身浴をする場合は髪も上半身も濡らさない状態で下半身だけ湯船に入る事。つまり、下半身だけかけ湯(シャワー)をして上半身は触らずに湯船に入る。寒いようなら上半身にはTシャツなどを着ておいても良いくらい。
 ・そもそも浴室が寒いなら、入浴前に電気ストーブなりで室温を上げておくと良い。入浴前なら水もかからないから危なくはない。浴室なんて2畳程度なんだからすぐに暖まる。
 ・入浴後は髪を早く乾かし、ボディーオイルなどで早々に肌をコーティングする。
 ・入浴後はできるだけ外気に触れないように気をつける。

◯その他(まぁ冬に限らず…)
 ・夜更かしをしない(余計な消耗を避ける)
 ・食べ過ぎない(消化に余計な力を使わない)
 ・冷たい物は食べない(腹の中は38℃前後。これより冷たい物を食べると、腹の中の温度を保つためにエネルギー消費が起こって消耗する。また冷たい食べ物は胃腸の動きを鈍らせます)。

 ざっと思いつくだけでもこれだけできることがあります(まだ足りないかも)。

 除雪をされる方、職場の駐車場で毎日雪降ろしてから移動しないといけない方など、長時間氷点下の中に居ないといけない方は、出来るだけ足湯をして身体をしっかり温めるか、セルフケアのお灸をされておくと良いと思います。

 足湯は、バケツに40℃程度のお湯を汲んできて、温かい今などで20分程度、差し湯をしながら行うと良いでしょう。
 じんわり汗をかきますから、足湯後は必ず着替えて下さい。
 或いは、入浴される前に、足湯をしてから入浴されても良いかと思います。

 セルフケアのお灸は、足下からの冷えについては、かかとの失眠がお灸をしやすくよく暖めてくれます。
 動画を張っておきますので、ドラッグストアでせんねん灸を買ってこられて、据えてみて下さい。
 コツは、熱さを感じるまで同じ場所に繰り返してお灸をすることです。
 まずは、3個までは安全に行えると思いますので、熱く感じなければ3個までやってみてください。
 3個やっても熱くならない場合は、一端中止して、翌日また3個やってみて下さい。繰り返していく内にちゃんと感じる様になります。
 あまりに何も感じ無い場合は、一度当院なりお近くの鍼灸院にご相談下さい。相当冷えてます。
 ※膝に炎症があって痛みがある場合は避けて下さい。



 今、このタイミングでガッツリ冷やすと、恐らく春先から夏にかけての体調不良につながります。
 なんとか頑張って冷やしすぎないように、しっかりガードを固めて、この寒波を乗り切りましょう。
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2018年02月03日

節分に“命は熱”だということを再認識しましょう。

 今日2月3日は節分です。
 “大寒”の終わりで“冬の土用”の終わり、明日から春(立春)になる季節の変わり目です。

 四季は春・夏・秋・冬に分けられますが、これを陰陽で大きく分けると陽の春夏・陰の秋冬となります。
 “土用”というとうなぎを食べる“夏の土用”が有名ですが、実際は四季の変化の時期全てに土用があります。
 その中で、陽の季節から陰の季節へ移り変わるのが“夏の土用”、そして陰の季節から陽の季節へ移り変わる土用が今日で終わる“冬の土用”です。

 この二つの土用が注目されるのは、やっぱり陰から陽、陽から陰へとプラス・マイナスの極性が大きく入れ替わる時期だからというのがあるのではないかと思います。

 その中でも、一番気をつけたいのは温かい・熱い時期から寒い時期へ切り替わる夏の土用なんですが、次に気をつけたいのが陰から陽へ切り替わるこの冬の土用が終わる節分の時期と言えると思います。

 まだまだ寒気は強いのですが、これから季節が春になっていくにつれて、秋・冬の時期に、ぎゅっと締めて塞いで身体の熱を外へ出さないように、また寒気が入ってこないように、収めてしまい込んでいた状態から、徐々に芽吹きのように開いて動き出す様になります。

 一見すると、命の息吹のようで、とても良いことに感じるんですが、硬く閉ざしていた物が動き出すのは大きな変化でもありますので、色々とトラブルも起こしやすくなります。
 3ヶ月締め切っていた蔵の扉を開けようというんですから、蔵自体にガタがきてたら、開け閉めするだけでも破損が起こったりするわけです。できたてホヤホヤなら、スイスイ開け閉めできるんでしょうけどね。

 人の身体も正にそれで、生まれたてホヤホヤから成長してる最中の20代そこそこの子供から若者は、こんな季節の変化には気づきもしないところですが、長年使い込んできて、地味にガタが来てる30代以降の身体になってくると、ちょっとした開け閉めでトラブルが起こったりもするもんです。

 そういう変化の時期を気をつけようというのが、“節分”の本来の目的だったんではないかと思います。
 実際、節分でまかれる豆は、芽が出ないようにする為に“炒る”と言われていますが、炒って陽気を与えて邪気を祓うちからを着けるとも考えられます。

 お灸も、火を使いますから、寒の邪気を祓ってくれると言われています。
 もともと、お灸の起源は“火おこし”でした。
 お灸で使う“もぐさ”というのは “よもぎ”を乾燥させて取り出した線維なんですが、これには精油成分が含まれていてよく燃えます。その為、過去には着火剤として使われていました。
 太古、青銅器時代くらいになると、人は火をおこすときには、銅鏡(手鏡)で太陽の光を集めて、このもぐさに着火させることで火を得ていたと言われます。古代のライターですね。

 その生活習慣から、火=太陽の熱・陽気だったので、病=死=冷たい邪気を祓うには、太陽の陽気を使うべしとして、背中にもぐさで火を付けるという呪術的な行為が原始的なお灸だったそうです(というか鍼灸治療の始まりとも言われます)。

 そのことを思えば、節分の季節に、お灸をして邪気を祓うというのは、むしろ自然な習慣だったんではないかと思います。

 昨日は二日灸を紹介させて頂きましたが、二日灸は2月2日から1ヶ月間行うこともあったそうです。
 春の農作業へ向けて、冬の寒気(邪気)を祓っていこうという習慣だったんでしょうね。

 “命は熱”だと考えることができます。
 赤ちゃんはほっかほかで、お年寄りは冷たいものです。
 日中活動するよりも深夜に活動する方がより熱量を必要しますし、冷たい物を食べると体温を維持する為に熱を使います。
 すべて命を使って維持していると考えれば冷やさないことの大切さが容易に想像出来ます。

 寒気が極まっているこの季節、明日から立春で春に入りますが、今こそ冷やさないように、そして冷えているなら冷えを少しでも解消するように、しっかりとした養生が必要な季節です。

 節分という行事を切っ掛けに、お身体の養生についても少しだけ考えて頂けたら幸いです。

 頑張って冷えの手当をするぞ〜と思われたら、まずはお灸なんか良いですよ。

 是非、試して見て下さい。


posted by こてつ at 10:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 鍼灸院

2018年02月02日

2月2日には二日灸をしましょう。

 2月2日には“二日灸”をすえましょう。

 “二日灸”は「ふつかきゅう」「ふつかやいと」と読み、他にも「やいとぞめ」と言うところもあって、当院は1月に「“お灸初め”をしませんか?」とTwitterやfacebookでお声がけさせて頂いてましたが、昔の習慣では2月2日が“やいと(お灸)初め”だったんですね。
 ただし、2月2日といっても旧暦なので実際には3月18日頃になるそうです。また、8月2日も二日灸をすえると良いとされています。
 これは歳事の2重性だそうで、1年を6ヶ月に区切って同じような歳事を行っていたようですね。
 お正月とお盆、春祭り・秋祭りなど、日本には意外と春と秋に同じような行事があります。

 二日灸は一種の行事や歳事で、この日に灸をすえると効能が倍あって、病気をせず、災難をのがれて、長寿になると言われていたそうです。
 実際のところは、これから始まる農作業へ向けて体調を整えておこうって事だったようですが。

 富山県内では、6月1日と7月1日の瑞龍寺の“ひとつやいと”がお灸の歳事としては有名ですが、西日本の方では、この二日灸も割とメジャーな習慣だったようです。

 お灸をする場所はどこでも良いそうで、歳事として行うなら、頭に素焼きの皿をのせてその上でお灸をもやしたり、“ほうろく”の中でお灸を燃やしてお腹に置いたりという形で実施されてるお寺さんもあるのでは無いかと思います。

 ご家庭で手軽に行うには、ドラッグストアで販売されている台座灸(せんねん灸)が簡単です。
 シールを剥がして指に貼り付け、火を付けてツボに置くだけですからとても手軽です。
 熱くなったら台座ごと外せばいいので、我慢する事もありません。

 疲労回復と胃腸の動きを活発にしてくれる“足三里(あしさんり)”と、足の冷えで眠れない方の足下から下半身をしっかり温めてくれる“失眠(しつみん)”にせんねん灸をすえる動画を用意してありますので、こちらをご参考に是非ご自宅でもお試し下さい。

◯足三里へのせんねん灸
 探し方は2種類有ります。
 1,すねの骨を擦り上げて指が止まる高さで、スネの外側の骨の面。
 2,すねの外側で膝のくぼみから指4本分下。
 です。動画を参考に探してみて下さい。
 大きなツボなので、多少ズレてもよく効きます。
 ※注意:ただし胃酸過多でお薬を飲まれてる方は避けて下さい。



◯失眠へのせんねん灸
 かかとの中央にとります。
 かかとの皮膚が硬く厚くなっている方はあまり熱さを感じないかも知れません。
 熱さを感じるまですえるのがコツですが、同じ場所には1日に3個までにしておいて下さい。
 毎日続ければ、必ず3個でも熱く感じられるようになります。
 ※注意:膝や足首に炎症があって熱や痛みがある方は避けて下さい。



 自分でやるのはちょっと怖いなぁと言う方は、是非当院へ御来院下さい。
 足三里や失眠の他、道具立てや煙の関係で、ちょっとご家庭ではやりにくい“へその塩灸”なども行えます。
 じんわりと温かい心地よいお灸で、身体の芯から温まります。
 お気軽にお問い合わせ下さい。

◯へその塩灸

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2018年02月01日

かゆいところに手が届く鍼灸

 鍼灸は、統合医療の中で“補完代替医療”として分類されることも多いですが、確かに当院みたいな実費でお一人づつ時間をかけて診る鍼灸院は、病院・診療所で行われている健康保険に基づいた“医療”の手が届きにくいところを“補完”する役割をもってるんだなぁと改めて感じています。

 当院での治療の一例としては、強迫症で摂食障害を起こしていた女性の患者さんがおられました。
 お腹が一杯で、喉まで食べ物が詰まっている感じがして、水を飲み込む事も難しいと感じる状態なので、食事はとれませんし水も少量しか飲めません。飴をなめたり、病院から出される缶入りの栄養補給剤(ドリンク)をちびちび飲んで命をつないでる状態でした。
 当然、骨が浮き出すほどやせて、月経もとまってしまって、ご自分で運転するのも少し心配なくらいです。

 病院(医療)から精神薬や栄養剤の処方を受けていて、栄養剤で命をつないでいるものの、症状の状態はなかなか上向かず、状況は停滞していて、何かもっと良くなる方法はないかなぁということで当院を受診して下さいました。
 当院での治療とご自宅でのセルフケアのお灸で、時間は掛かりましたがゆっくり体調が上向きになっていき、途中何度かお薬もかわったりしつつ、お水が少し飲めるようになっていき、ほんの少量ですが固形物も食べられるようになってきたりしたので、お腹を慣らすの敢えて少量づつでも固形物を食べてみては?と提案してみたところ、少量パックの介護用レトルト食を試してみられた結果、以外にも食べる事が出来て、そこからはお総菜の煮物なども少量づつ食べられるようになっていって、最終的には外食もできるようになりました。
 もともと少食だったそうで、一人前の定食を完食することはできなかったそうなので、外食自体は少なかったそうですが、回転寿司なら量の調整も簡単ですから、たまに食べに行かれる事もあったんだとか。あとはコメダで白ノワールを旦那さんと一緒に食べられたと喜んでおられました。

 この辺りの、固形物に慣らしていってみない?ってところは認知行動療法的な部分もあったのかな?と思います。

 治療の終盤には、背骨が浮き出るほど痩せていたのが体重も増加して全身にふっくらとお肉もついて、とまっていた月経も戻って、“まったく食べられない”状態から“ちょっと少食”な人くらいにまでに回復したので、そこで治療は終了としてして、あとは自宅でのセルフケアのお灸での維持になって行きました。

 この例は、“鍼灸が効いた”という例にもなるのかも知れませんが、どちらかというと病院でフォロー仕切れてなかった部分を鍼灸院が補完できた例なのではないかと思っています。
 時間をかけてお悩みをお聞きしたり、生活習慣を一緒に見直したり、どうやったら良くなるか話合うというのは病院の外来ではなかなかフォローが難しいところかと思います。

 鍼灸治療は、その方の生活習慣も一緒に見直して、悪化の原因になているものや、症状を引き出しているトリガーになっているものなどを一緒に考える事もしますので、この点はとてもマッチしたように思います。

 そういう事に加えて、鍼灸の技術として胃腸の動きをよくする施術・セルフケアの灸が加わって、身体の機能が正常の動くように刺激をしていくことで、ゆっくり症状が上向きになっていったんでは無いかと考えて居ます。
 この方は、当院からはちょっと遠くから来られていた事もあって、お車でそれなりに走らないといけないものですから、毎週仕事帰りの旦那さんが運転して送り迎えして下さっていました。また、胃のお灸は背中にするのも効果的ななので、旦那さんが背中のお灸を覚えて下さって、毎日すえて下さったことがとても大きかったと思います。旦那さんも一緒になって努力して下さっていたのがとても大きな力だったと思います。

 この摂食障害の例はちょっと特殊かも知れませんが、病院で提供される健康保険ベースの医療はセーフティーネットの一つですから、あまねく国民を救うことに軸足があるために、どうしても細かいフォローには手が回ってない現実があると思います。そもそも、そういう細かい所まで保険でカバーしてたら健康保険もあっという間にパンクしちゃいますからこれは仕方ないところかと思います。

 その“隙間”になる細部の部分を上手くフォローして補完できる場所が、実は鍼灸院なんではないかと思います。
 国家資格であるはり師・きゅう師(あん摩マッサージ指圧師)の免許者が、保健所に開設届けを出して開業している鍼灸院は、国内では病院・診療所に準じた安心してかかれる場所でもあります(接骨院も一緒です)。

 健康に不安が生じたら、まずは病院へというのは第一選択として正しいことです。セカンドオピニオンを置いて複数の医師に診てもらうのも良いと思います。

 ただ、病院に行ってみたけど、あとちょっと足りない、もう一押し何かないかな?ここをもうちょっとケアして欲しいんだけどな?と思ったら、病院の次の選択肢として“鍼灸院”を考えて見てはどうかと思います。

 相談するだけでも、色々と違った視点で、新しい発見を得られるかも知れません。

 是非、鍼灸院をご活用下さい。
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2018年01月31日

【注意】除雪で腰・肩が痛いかたへ

 1月中頃からの寒波で富山県内でも大雪になり、連日の除雪で腰や膝、肩をいためいる方も少なくないのではないでしょうか?

 そんな時の治療は鍼灸がベターなんですが、それは当然のこととして、今日はこんな季節だからこその注意事項のお話をします。

 最近、コンビニの跡地などを利用して、外壁に60分2980円とかって料金表示のある“もみほぐし”という、俗に“マッサージ店”と認識されているお店が増えています。
 日曜でも深夜でもやってますので、利用されている方も少なくないのではないかと思いますが、こちらは産業分類上は“リラクゼーション業”とされていて、お客さんにリラックスを提供することが目的の店舗であり、“症状の改善”という事は一切営業目的に入っていない業種のお店になります。

 このお店、「何分いくらで指定された場所を気持ちよくもみもみしますよ」というのがサービス内容であって、“肩の痛みや腰の痛みを楽にしますよ”ってサービスじゃ無いんです。

 これ、極端な言い方をしたら“お風呂屋さんのコインマッサージ機の仕事を人間がやってるだけ”なんです。お店のセラピストと呼ばれる人は、お客さんが“依頼されている時間の間心地よくなる”ようにしようとしているだけで、そこにある症状をとろうとは考えて居ませんし、症状をとりますよってサービスを提供しているつもりもないんです。

 そもそも「人に触れられてほっとしたい」・「一人で寝ていても安心できないから1時間ほど背中撫ででもらいながらゆっくり寝たい」ってニーズにこたえる為のお店なので、間違っても「除雪して肩が痛くなったから治してもらおう」という事を目的に行くお店ではないんです。これは除雪に限らず、日常のお仕事での疲労についてもそうです。

 それで、何が注意事項かと言えば、こういうお店は、サービスとして症状の改善は考えて居ないのですが、当然そこにある症状のことを考えずに、その場の心地よさだけを優先しますので、除雪などの過重労働で関節や筋肉に炎症を起こしていた場合でも、ただその瞬間心地良いだけの刺激を与える事を目的に触り続けますから、過剰刺激で炎症を強くしてしまったりして、悪化させてしまう危険性があります。ここが注意点なんです。

 除雪が大変なこの時期では、私はこの悪化を一番心配しています。

 除雪で腰を痛めた・肩を痛めた、それを改善させたいなと思ったら、必ず国家資格をもち、保健所にも開設届けを出している、病院か鍼灸院・接骨院を訪ねて下さい。

 簡単な見分け方は、お店の外にサービスの料金表があるお店は、全て無免許で無届けです。

 医師法、柔道整復師法、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師等法には広告制限の条項があり、料金について屋外に表示することは認められていません。
 つまり、屋外に料金表示をしている店舗は、全てこれらの法律で規定されている国家資格者ではない、無免許者がやっているお店という事になります。

 “免許が無い”ということは、どの程度の教育を受けているか解らないということですので、料金は明示されていても、医療者として当然の常識を備えているかどうかは怪しいお店と言う事になります。

 回らない高級寿司店はいくら掛かるか解らなくて入るのが怖いから、1皿100円って書いてある回転寿司が安心っていう心理はあると思います。
 でも、それは回転寿司も飲食店として保健所への届出を行って、衛生管理者をちゃんと置いている一定水準の安全を満たしている飲食店だから安心なのであって、無免許・無届けのリラクゼーション店は、その一定水準が満たされている保証が一切ないお店です。
 食中毒が出ても自己責任ですよって、お店が料金表示をして明朗会計だから安心なのか?といったら安心でしょうか?

 営業しているんだから、当然国がちゃんと管理してるだろうと思っている方もおられるかも知れませんが、リラクゼーション店については国は一切管理をしていません。管理するための法律すらありません。
 警察に届出が必要な風俗店の方が、まだ警察の管理下にある分だけ、ちゃんと管理されている業種です。

 そういうグレーゾーンの産業がリラクゼーション店なので、ご利用になる際は、自己責任で十分に信頼できるところだけを、元気で健康な状態の時に利用するに止めておくのが無難ではないかと思います。

 そんな訳で、再度書きますが、除雪で腰・肩を痛めたら、絶対にリラクゼーション店には行かないで下さい。

※温泉施設・入浴施設・ホテルに併設されているマッサージサービスも大半がリラクゼーション店です。
◯◯の湯などの入植施設で温まったついでに、ちょっと揉んでもらおうかなってあのお店はリラクゼーション店ですので、身体に痛みがある時は気をつけてご利用下さい。
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2017年05月23日

鍼灸院では消毒が法律で義務付けられています

 ときどき、お問い合わせのお電話や問診・治療中に、患者さんから鍼の消毒や皮膚の消毒について質問をされる事があります。

 色々なネット記事に触れているためか、お年寄りからあまり良くないイメージのお話を聞かれるのか理由は分かりませんが、不安に思われる方もおられるようです。

 そこで、今日はそういう不安を払拭する為、鍼灸院(鍼灸師)は法律で消毒が義務づけられているということをお話ししようと思います。

 昨日の守秘義務でも取り上げましたが、我々鍼灸師(はり師・きゅう師)は“あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律”により規制を受けています。

 この法律の中には、以下のように、消毒を義務づける一文が入っています。

 “あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律

  第六条  はり師は、はりを施そうとするときは、はり、手指及び施術の局部を消毒しなければならない。”

 こういう背景があるからか、医療人教育として当然のことという事なのか、養成学校(専門学校・大学等)では公衆衛生学はもちろん、実習の際も手指・患部・器材などの消毒をみっちり仕込まれます(少なくとも私が在学中だった20年ほど前はみっちり仕込まれました)。

 鍼については、最近は使い捨て(ディスポーザブル)の物が主流ですので、鍼を滅菌消毒して再利用するという事はあまりされなくなりました。
 金製の高価な鍼や特殊鍼などは各患者さん専用の物を用意し、それを滅菌→保管→再利用ということをされる先生もおられますが、大半の鍼灸院では一回使い切りで廃棄しているところが多いと思います(廃棄も医療廃棄物業者に依頼して行います)。

 当院にも滅菌器(オートクレーブ)はありますが、鍼の滅菌ではなく、ステンレス製の鍼皿や吸角(吸い玉)を滅菌することに使っています。

 次に、手指の消毒は、これはいわば手洗いですが、どこの鍼灸院でも原則十分な手洗いをした上で、ベッドサイドではアルコール噴霧の消毒剤をすり込むような事をされていると思います。

 最後に、患部の消毒ですが、大半の鍼灸院ではエタノール(ないしイソプロピルアルコール)で綿花を塗らして患部を拭う方法で消毒していると思います。

 ちなみに、実のところこの“患部(皮膚)の消毒”ですが、昨今は病院の注射について、事前の患部のアルコール消毒は無意味なのでは?不要では?という事が言われています。

 例えば、下のクリニックさんのブログで紹介されています。

 注射の前のアルコール消毒は必要ありません、皮膚の常在菌は体内では増殖しないから!!
 https://www.gohongi-beauty.jp/blog/?p=16798

 内容をざっと箇条書きにするとこんな感じです。

 ・注射の前に皮膚消毒を行わないと行けない根拠が明確でない。
 ・皮膚が弱い人はアルコールの刺激で赤くなってしまう事もある
  (意味が薄いのにマイナス作用がある)。
 ・皮膚のPHと体内のPHは違う為、皮膚常在菌は体内では増殖できない。
 ・皮膚が汚染されている場合は水洗いすれば十分。
 ・感染性物質に汚染されていたらアルコールごときでは対応出来ないのでイソジン等で消毒しなければならない。
 ・長期間針を刺しっぱなしにする場合は感染の可能性はある
  (注射程度時間なら大丈夫)。
 ・注射針が細くなってきている(0.7mmから0.25mm)ので注射した穴もすぐにふさがる。
 ・ブログの医院では生理食塩水で拭っている。

 この内容は注射の話ですが、鍼灸の鍼は注射針より細い0.20mm〜0.10mm程度ですから刺した穴は注射の穴より早くふさがります。
 治療法によっては10分〜20分程度刺したままにしておく事はありますが、ここでいわれている“長期間刺しっぱなしにする”とは、入院中の点滴用の針などの事を指しているので、20分程度なら大きな問題はないと思います(実際それによる感染という事はほとんど事故事例はあがっていなかったと思います)。

 こういう背景もありますから、鍼灸治療でも、患部を清潔にすることさえ出来ればアルコール消毒にこだわる必要はなく、むしろ患部が過敏な皮膚の場合はアルコールではなく生理食塩水や精製水などで拭う・清拭してやるという方が患者さんのお身体への負担が小さいと考えられます。

 ちなみに当院では、顔などの皮膚の薄い過敏な部位はハーブウォーターで拭っています。
 その他、身体の消毒には、従来通りエタノールを使っています(拭うだけでもエタノールの方が乾燥が早く割と便利なので)。
 皮膚が過敏な方はお顔に使っているハーブウォーターで拭うようにしています。

 このように、鍼灸院では、はり師・きゅう師は規制されてる法律で手指・患部・器機の消毒が義務づけられ、養成課程でも十分な教育を受けています。

 また、昨今は注射でさえも皮膚常在菌が感染を起こすような事は無いと言われていますので、患部を清潔に保つ操作をしっかりおこなっている鍼灸院では、鍼による感染の心配もほとんどないと言えると思います。

 安心して鍼灸院を訪ねて下さい。

 本町北はり灸院
 http://www.kita-sinkyu.com/
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2017年05月22日

鍼灸院は安心して話せる場所。

 皆さんは“守秘義務”ということばをご存じでしょうか。

 これは、公務員、弁護士、税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、介護士等の職務の特性上、“秘密”と“個人情報”の保持が必要とされる職業の人が、各々それぞれの身分を規定する法律の中で、秘密を漏らしてはいけないという取り決めがされている事を指す言葉です。
 この法律上の守秘義務を課されている職業の人が、正当な理由もなく、職務上で知り得た秘密を(故意または過失で)漏らした場合は処罰の対象にもなったりします。

 この守秘義務ですが、鍼灸院で働く“はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師”の国家資格者も、その身分を規定している“あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律”の中で下記の通りしっかりと規定されています。

“あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律
 第七条の二
 施術者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。
 施術者でなくなつた後においても、同様とする。”

 つまり、我々鍼灸マッサージ師は、皆様から治療の際にお伺いしたお話の内容を、気軽に他人に話してはいけないと法律で決められているのです。
 ちなみに、接骨院・整骨院で働く柔道整復師の皆さんも、柔道整復師法の中で守秘義務を規定されています。

 なお、整体院やカイロ院、または最近流行の「60分2980円で全身もみほぐし!」とかって宣伝してるリラクゼーション店の場合、そこで働いている人は国家資格を持たない方が多いですから、その方達は身分的にはこの守秘義務を課せられていません(店舗としてのポリシーとして掲げているところはあるかも知れません。また整体・カイロ・リラクゼーション店・エステで働いていても、その人が免許者の場合は守秘義務を課せられます)。

 守秘義務なんて法規制が無くても、道義的に患者さんからお聞きしたプライバシーなどは漏らさないのが当然の事ですが、こうしてしっかりと法律に明文化されて秘密を漏らせない事になっていると言う事が分かると、より安心できませんでしょうか。

 なお、こういう事情がありますので、例えばご家族やお友達などで、同じ治療院に通われている方の事が気になっても、掛かっている鍼灸師の先生に根掘り葉掘り他の患者さんの事を聞かないようにお願いします。

 役場の窓口では無いですから、「守秘義務があるのでお答えできません」なんて回答もなかなかしづらい雰囲気の中でお話をさせて頂く事が多いので、言葉を濁して話題をそらされる先生もが多いんじゃないかなと思います。なので、そんな時は、あ〜話せないんだなぁと“察して”頂けると助かります(^^;)。

 鍼灸院は、短いところでも15分くらい、平均すれば30分〜60分くらいは患者さんのお身体に触れながらお話をさせて頂ける空間です。
 これだけ濃密にお話ができる医療系の職種はあまり多くありません。

 それだけに、カウンセリング的な役割も古くから担ってきてる面が大きいと思います。
 また、そうした心理的な面だけでなく、日常的な生活習慣の改善についてや、主症状以外で気になっている事なども、気軽に相談ができる場所でもあります。

 そういう場所であるだけに、なかなか他人には話さない事もぽろっとこぼしてしまう場所でもありますが、治療者-患者間の人間関係の信頼以外に、ちゃんと法律上のルールでも厳重に秘密が守られています。

 そういう場所が国家免許者が診させて頂く鍼灸院・鍼灸マッサージ院ですので、どうぞ安心してご来院頂けたらと思います。
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2017年04月25日

学術講習会「がん患者のための鍼灸治療〜QOLの向上を目指して〜」続編

 昨日書いた、(公社)富山県鍼灸マッサージ師会第1回定期学術講習会の記事では、鍼灸師が気をつける事とか、緩和ケアのコツのような事は全部割愛してましたので、今日はその部分について、一般の方に治療を提供する側の鍼灸師はこういう事を勉強してるんだなって事をお伝えする意味を込めて書いていこうと思います。

 まず、がんの緩和ケアにおいて、【鍼灸師に求められること】は以下の事だそうです。

 1,がんに対する現代医学や緩和ケアの基礎知識を持っている。
 2,思いやる人間性。
 3,在宅、末期の場合は医療との連携が必要。
 4,コミュニケーションを落ち着いて積極的にとること。
 5,患者の心身の状況を把握していること。
 6,苦痛が多岐にわたることを理解。
 7,患者さん以外の周囲の方もケア。
 8,鍼灸治療の内容を分かりやすく説明できること。

 1番の“がんに対する現代医学や緩和ケアの基礎知識を持っている”は当たり前の事なんですが、ここで面白いのが、昨日の記事で“がん患者における鍼灸治療の有用性と特徴”の中に、
 ・現代医学と視点が異なる。
 ・診断できないものや現代医学的治療のないものにも対応出来る。
 というものもあることです。
 つまり、現代医学とは視点やアプローチが違う事自体が鍼灸の特徴でもあるし、有用性でもあるのに、現代医学の知識を持っていることが大事と言っている、ちょっと矛盾して聞こえますよね。

 でも、これは実はとても大事な事です。
 鍼灸治療が適応するかどうかの判断にも必要ですし、緩和ケアでは医療機関との連携の為にも必要です。

 国家資格者として、こうベースをちゃんと持っているからこそ、一部の偽医学やトンデモ医学のように患者さんに害を与えずに、一見するとスピリチュアルやオカルトともとれる“気”の概念の基づく東洋医学的な治療を、現実的な範囲で患者さんの苦痛の緩和に役立てることができるんです。
 宗教や狂信ではない、“現実主義のスピリチュアル的なアプローチ”が出来るのが国家資格をもつはり師・きゅう師ではないかと思います。

 2の“思いやる人間性”は、少なくとも開業してこの仕事を続け居ている先生は大体お持ちではないかと思います。
 爆発的に儲かるわけではない仕事を、患者さんの「楽になりました」「ありがとう」の言葉をご褒美に続けてるような先生が多い業界なので。

 3,“在宅、末期の場合は医療との連携が必要”と8,“鍼灸治療の内容を分かりやすく説明できること”は1番がしっかりしていれば問題ないですよね。

 4,“コミュニケーションを落ち着いて積極的にとること”は、“落ち着いて”というところが大切だそうです。

 5,“患者の心身の状況を把握していること”、6,“苦痛が多岐にわたることを理解。”は、鍼灸院というところは、治療に30分なり1時間なり時間がかかり、病気そのものよりも、患者さんを診て治療する傾向にありますから、鍼灸の得意とする分野ではないかと思います。

 7,“患者さん以外の周囲の方もケア。”も、病院でご家族のケアといえば、各種相談窓口が用意されていると思いますが、身体的なケアは病気が発症しない限り提供されないでしょうから、そこもケアできるというのは鍼灸の強みだろうと思います。

 次に、【緩和ケアに於ける精神的な援助のコツ】ですが、がん患者さんは、死の影とも向き合っている非常にシビアな状況に置かれている場合が多く、そうなると、ご自分の“本当の気持ち”や“話したいこと”、“理解してほしいこと”などが、ご家族に対しては、様々な理由で話せなかったり、気持ち自体を抑制してしまうことも少なからずあるそうです。

 そういう時に必要なケアは

 “安全な他者に真剣に受け止められ理解される”

 事だそうで、この“安全な他者”には守秘義務を持つ医療者がなる事が多いのでは無いかと思います。
 そんな中で、鍼灸師は、
  ・一定の治療時間を患者さんと過ごす
   →ゆっくり話を聞いて貰える
  ・身体に触れて施術を行う(タッチケア)
   →辛いところや痛いところがよくわかってもらえる
  という特徴をもつことで、この役割にはとても適しており、“精神的苦痛、霊的苦痛の緩和”を担える存在ではないかと思います。

 また、実施にあたってのコツは以下の通りです。
 【精神的援助のコツ】
 1,話をするときは、座りながら落ち着いた雰囲気で目線を合わせること。
 2,話の背景にある気持ちを感じ取る。
 3,患者の気持ちや感情に焦点を当てながら傾聴して共感すること。
 4,沈黙があったら話し始めるまで待つこと。
 5,感情に引き込まれないこと。
 6,安易な励ましは避けること。
 7,説明を十分に行うこと。
 8,ユーモアを忘れない。

 3の傾聴については、5とも合わさって、患者さんのネガティブになっていく感情に引きずられてしまい、一緒に落ち込んでいくと、それは傾聴ではなく“共依存”になってしまうそうです。
 なので、気持ちを受け止めて傾聴することが大事ですが、一緒に落ちていかないようにすることが大事で、むしろ引き上げてあげるようにすることが大事だそうです。

 ただし、6のとおり安易な励ましに走ってはダメだそうです。
 その為にも7の十分な説明という事が重要になってくるんでしょうね。

 そして、こうやって傾聴することや説明することができるのも、ベッドサイドで一定時間を確保して患者さんと接することができる鍼灸師の得意分野になります。

 がん患者さんにとって鍼灸師は、“国家資格者として、守秘義務を課せられていて、それでいて比較的長い時間話をすることができて、身体のケアをしてくれる存在”になれるんですね。

 最後に、緩和ケアへの適不適ですが、ざっとまとめると以下の通りだそうです。

 ・適応時期
  初期から中期の方が効果が高いことが多い。
  中期以降も効果はあるが持続時間は短い。
  末期には他の治療法がない場合は唯一の方法となることもある。
   ↑飲食ができず薬も飲めない状況とかになると、皮膚刺激の鍼灸くらいしかアプローチがなくなってくる事も。

 ・適応
  痛み、だるさ、コリ、不快感、食欲不振、軽度の浮腫、イライラ、不眠など

 ・要注意
  激しい疼痛(痛み)、強度の腹水、白血球・血小板の減少。

 治療を行う歳には以下の注意が必要だそうです。

 【治療導入のコツ】
  ・鍼治療導入時の強い刺激は無謀。
  ・初めは軽微な刺激から。
  ・徐々にドーゼ(刺激量)をあげる。
  ・全身的な随証治療を加味。
  ・説明を十分に。

 “随証治療”というのは聞き慣れない言葉だと思いますが、これは“証”に“随った”治療という意味で、現代医学的な検査結果から考えられる原因とか、出ている“症状”に合わせた治療ではなく、“証”という患者さんの体質や病気の深さや勢い、全身の状態を東洋医学的な観察と考察で把握して決めるもの随って治療をするという意味です。
 “陰陽、虚実、寒熱、表裏、気血水”といった概念で現在の身体の状態を把握して治療をしますので、現代医学的には原因が不明でも、治療する足がかりを得ることができます。
 また、全身的な状態の総括であり、治療はその総括の解消を目指すことになるので、複数の症状に対して、まとめて効果を発揮してくれることもあります。
 まぁ、鍼灸とか漢方とかの特徴の一つともいえるかも知れません。

 一般には、“全身治療”というような言葉でお話をされている鍼灸師が多いと思います。
 当院で行っている“積聚治療”も東洋医学的な全身治療であり、この随証治療にあたります。

 鍼灸院では、このような事を注意したり勉強したりして、がん患者さんへの緩和ケアを実施しています。

 昨日の記事とも合わせて、がん治療の中での鍼灸院が果たせる役割というものを頭の片隅においておいて頂けると幸いです。
posted by こてつ at 20:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 鍼灸師会