2017年05月23日

鍼灸院では消毒が法律で義務付けられています

 ときどき、お問い合わせのお電話や問診・治療中に、患者さんから鍼の消毒や皮膚の消毒について質問をされる事があります。

 色々なネット記事に触れているためか、お年寄りからあまり良くないイメージのお話を聞かれるのか理由は分かりませんが、不安に思われる方もおられるようです。

 そこで、今日はそういう不安を払拭する為、鍼灸院(鍼灸師)は法律で消毒が義務づけられているということをお話ししようと思います。

 昨日の守秘義務でも取り上げましたが、我々鍼灸師(はり師・きゅう師)は“あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律”により規制を受けています。

 この法律の中には、以下のように、消毒を義務づける一文が入っています。

 “あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律

  第六条  はり師は、はりを施そうとするときは、はり、手指及び施術の局部を消毒しなければならない。”

 こういう背景があるからか、医療人教育として当然のことという事なのか、養成学校(専門学校・大学等)では公衆衛生学はもちろん、実習の際も手指・患部・器材などの消毒をみっちり仕込まれます(少なくとも私が在学中だった20年ほど前はみっちり仕込まれました)。

 鍼については、最近は使い捨て(ディスポーザブル)の物が主流ですので、鍼を滅菌消毒して再利用するという事はあまりされなくなりました。
 金製の高価な鍼や特殊鍼などは各患者さん専用の物を用意し、それを滅菌→保管→再利用ということをされる先生もおられますが、大半の鍼灸院では一回使い切りで廃棄しているところが多いと思います(廃棄も医療廃棄物業者に依頼して行います)。

 当院にも滅菌器(オートクレーブ)はありますが、鍼の滅菌ではなく、ステンレス製の鍼皿や吸角(吸い玉)を滅菌することに使っています。

 次に、手指の消毒は、これはいわば手洗いですが、どこの鍼灸院でも原則十分な手洗いをした上で、ベッドサイドではアルコール噴霧の消毒剤をすり込むような事をされていると思います。

 最後に、患部の消毒ですが、大半の鍼灸院ではエタノール(ないしイソプロピルアルコール)で綿花を塗らして患部を拭う方法で消毒していると思います。

 ちなみに、実のところこの“患部(皮膚)の消毒”ですが、昨今は病院の注射について、事前の患部のアルコール消毒は無意味なのでは?不要では?という事が言われています。

 例えば、下のクリニックさんのブログで紹介されています。

 注射の前のアルコール消毒は必要ありません、皮膚の常在菌は体内では増殖しないから!!
 https://www.gohongi-beauty.jp/blog/?p=16798

 内容をざっと箇条書きにするとこんな感じです。

 ・注射の前に皮膚消毒を行わないと行けない根拠が明確でない。
 ・皮膚が弱い人はアルコールの刺激で赤くなってしまう事もある
  (意味が薄いのにマイナス作用がある)。
 ・皮膚のPHと体内のPHは違う為、皮膚常在菌は体内では増殖できない。
 ・皮膚が汚染されている場合は水洗いすれば十分。
 ・感染性物質に汚染されていたらアルコールごときでは対応出来ないのでイソジン等で消毒しなければならない。
 ・長期間針を刺しっぱなしにする場合は感染の可能性はある
  (注射程度時間なら大丈夫)。
 ・注射針が細くなってきている(0.7mmから0.25mm)ので注射した穴もすぐにふさがる。
 ・ブログの医院では生理食塩水で拭っている。

 この内容は注射の話ですが、鍼灸の鍼は注射針より細い0.20mm〜0.10mm程度ですから刺した穴は注射の穴より早くふさがります。
 治療法によっては10分〜20分程度刺したままにしておく事はありますが、ここでいわれている“長期間刺しっぱなしにする”とは、入院中の点滴用の針などの事を指しているので、20分程度なら大きな問題はないと思います(実際それによる感染という事はほとんど事故事例はあがっていなかったと思います)。

 こういう背景もありますから、鍼灸治療でも、患部を清潔にすることさえ出来ればアルコール消毒にこだわる必要はなく、むしろ患部が過敏な皮膚の場合はアルコールではなく生理食塩水や精製水などで拭う・清拭してやるという方が患者さんのお身体への負担が小さいと考えられます。

 ちなみに当院では、顔などの皮膚の薄い過敏な部位はハーブウォーターで拭っています。
 その他、身体の消毒には、従来通りエタノールを使っています(拭うだけでもエタノールの方が乾燥が早く割と便利なので)。
 皮膚が過敏な方はお顔に使っているハーブウォーターで拭うようにしています。

 このように、鍼灸院では、はり師・きゅう師は規制されてる法律で手指・患部・器機の消毒が義務づけられ、養成課程でも十分な教育を受けています。

 また、昨今は注射でさえも皮膚常在菌が感染を起こすような事は無いと言われていますので、患部を清潔に保つ操作をしっかりおこなっている鍼灸院では、鍼による感染の心配もほとんどないと言えると思います。

 安心して鍼灸院を訪ねて下さい。

 本町北はり灸院
 http://www.kita-sinkyu.com/
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2017年05月22日

鍼灸院は安心して話せる場所。

 皆さんは“守秘義務”ということばをご存じでしょうか。

 これは、公務員、弁護士、税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、介護士等の職務の特性上、“秘密”と“個人情報”の保持が必要とされる職業の人が、各々それぞれの身分を規定する法律の中で、秘密を漏らしてはいけないという取り決めがされている事を指す言葉です。
 この法律上の守秘義務を課されている職業の人が、正当な理由もなく、職務上で知り得た秘密を(故意または過失で)漏らした場合は処罰の対象にもなったりします。

 この守秘義務ですが、鍼灸院で働く“はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師”の国家資格者も、その身分を規定している“あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律”の中で下記の通りしっかりと規定されています。

“あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律
 第七条の二
 施術者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。
 施術者でなくなつた後においても、同様とする。”

 つまり、我々鍼灸マッサージ師は、皆様から治療の際にお伺いしたお話の内容を、気軽に他人に話してはいけないと法律で決められているのです。
 ちなみに、接骨院・整骨院で働く柔道整復師の皆さんも、柔道整復師法の中で守秘義務を規定されています。

 なお、整体院やカイロ院、または最近流行の「60分2980円で全身もみほぐし!」とかって宣伝してるリラクゼーション店の場合、そこで働いている人は国家資格を持たない方が多いですから、その方達は身分的にはこの守秘義務を課せられていません(店舗としてのポリシーとして掲げているところはあるかも知れません。また整体・カイロ・リラクゼーション店・エステで働いていても、その人が免許者の場合は守秘義務を課せられます)。

 守秘義務なんて法規制が無くても、道義的に患者さんからお聞きしたプライバシーなどは漏らさないのが当然の事ですが、こうしてしっかりと法律に明文化されて秘密を漏らせない事になっていると言う事が分かると、より安心できませんでしょうか。

 なお、こういう事情がありますので、例えばご家族やお友達などで、同じ治療院に通われている方の事が気になっても、掛かっている鍼灸師の先生に根掘り葉掘り他の患者さんの事を聞かないようにお願いします。

 役場の窓口では無いですから、「守秘義務があるのでお答えできません」なんて回答もなかなかしづらい雰囲気の中でお話をさせて頂く事が多いので、言葉を濁して話題をそらされる先生もが多いんじゃないかなと思います。なので、そんな時は、あ〜話せないんだなぁと“察して”頂けると助かります(^^;)。

 鍼灸院は、短いところでも15分くらい、平均すれば30分〜60分くらいは患者さんのお身体に触れながらお話をさせて頂ける空間です。
 これだけ濃密にお話ができる医療系の職種はあまり多くありません。

 それだけに、カウンセリング的な役割も古くから担ってきてる面が大きいと思います。
 また、そうした心理的な面だけでなく、日常的な生活習慣の改善についてや、主症状以外で気になっている事なども、気軽に相談ができる場所でもあります。

 そういう場所であるだけに、なかなか他人には話さない事もぽろっとこぼしてしまう場所でもありますが、治療者-患者間の人間関係の信頼以外に、ちゃんと法律上のルールでも厳重に秘密が守られています。

 そういう場所が国家免許者が診させて頂く鍼灸院・鍼灸マッサージ院ですので、どうぞ安心してご来院頂けたらと思います。
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2017年04月25日

学術講習会「がん患者のための鍼灸治療〜QOLの向上を目指して〜」続編

 昨日書いた、(公社)富山県鍼灸マッサージ師会第1回定期学術講習会の記事では、鍼灸師が気をつける事とか、緩和ケアのコツのような事は全部割愛してましたので、今日はその部分について、一般の方に治療を提供する側の鍼灸師はこういう事を勉強してるんだなって事をお伝えする意味を込めて書いていこうと思います。

 まず、がんの緩和ケアにおいて、【鍼灸師に求められること】は以下の事だそうです。

 1,がんに対する現代医学や緩和ケアの基礎知識を持っている。
 2,思いやる人間性。
 3,在宅、末期の場合は医療との連携が必要。
 4,コミュニケーションを落ち着いて積極的にとること。
 5,患者の心身の状況を把握していること。
 6,苦痛が多岐にわたることを理解。
 7,患者さん以外の周囲の方もケア。
 8,鍼灸治療の内容を分かりやすく説明できること。

 1番の“がんに対する現代医学や緩和ケアの基礎知識を持っている”は当たり前の事なんですが、ここで面白いのが、昨日の記事で“がん患者における鍼灸治療の有用性と特徴”の中に、
 ・現代医学と視点が異なる。
 ・診断できないものや現代医学的治療のないものにも対応出来る。
 というものもあることです。
 つまり、現代医学とは視点やアプローチが違う事自体が鍼灸の特徴でもあるし、有用性でもあるのに、現代医学の知識を持っていることが大事と言っている、ちょっと矛盾して聞こえますよね。

 でも、これは実はとても大事な事です。
 鍼灸治療が適応するかどうかの判断にも必要ですし、緩和ケアでは医療機関との連携の為にも必要です。

 国家資格者として、こうベースをちゃんと持っているからこそ、一部の偽医学やトンデモ医学のように患者さんに害を与えずに、一見するとスピリチュアルやオカルトともとれる“気”の概念の基づく東洋医学的な治療を、現実的な範囲で患者さんの苦痛の緩和に役立てることができるんです。
 宗教や狂信ではない、“現実主義のスピリチュアル的なアプローチ”が出来るのが国家資格をもつはり師・きゅう師ではないかと思います。

 2の“思いやる人間性”は、少なくとも開業してこの仕事を続け居ている先生は大体お持ちではないかと思います。
 爆発的に儲かるわけではない仕事を、患者さんの「楽になりました」「ありがとう」の言葉をご褒美に続けてるような先生が多い業界なので。

 3,“在宅、末期の場合は医療との連携が必要”と8,“鍼灸治療の内容を分かりやすく説明できること”は1番がしっかりしていれば問題ないですよね。

 4,“コミュニケーションを落ち着いて積極的にとること”は、“落ち着いて”というところが大切だそうです。

 5,“患者の心身の状況を把握していること”、6,“苦痛が多岐にわたることを理解。”は、鍼灸院というところは、治療に30分なり1時間なり時間がかかり、病気そのものよりも、患者さんを診て治療する傾向にありますから、鍼灸の得意とする分野ではないかと思います。

 7,“患者さん以外の周囲の方もケア。”も、病院でご家族のケアといえば、各種相談窓口が用意されていると思いますが、身体的なケアは病気が発症しない限り提供されないでしょうから、そこもケアできるというのは鍼灸の強みだろうと思います。

 次に、【緩和ケアに於ける精神的な援助のコツ】ですが、がん患者さんは、死の影とも向き合っている非常にシビアな状況に置かれている場合が多く、そうなると、ご自分の“本当の気持ち”や“話したいこと”、“理解してほしいこと”などが、ご家族に対しては、様々な理由で話せなかったり、気持ち自体を抑制してしまうことも少なからずあるそうです。

 そういう時に必要なケアは

 “安全な他者に真剣に受け止められ理解される”

 事だそうで、この“安全な他者”には守秘義務を持つ医療者がなる事が多いのでは無いかと思います。
 そんな中で、鍼灸師は、
  ・一定の治療時間を患者さんと過ごす
   →ゆっくり話を聞いて貰える
  ・身体に触れて施術を行う(タッチケア)
   →辛いところや痛いところがよくわかってもらえる
  という特徴をもつことで、この役割にはとても適しており、“精神的苦痛、霊的苦痛の緩和”を担える存在ではないかと思います。

 また、実施にあたってのコツは以下の通りです。
 【精神的援助のコツ】
 1,話をするときは、座りながら落ち着いた雰囲気で目線を合わせること。
 2,話の背景にある気持ちを感じ取る。
 3,患者の気持ちや感情に焦点を当てながら傾聴して共感すること。
 4,沈黙があったら話し始めるまで待つこと。
 5,感情に引き込まれないこと。
 6,安易な励ましは避けること。
 7,説明を十分に行うこと。
 8,ユーモアを忘れない。

 3の傾聴については、5とも合わさって、患者さんのネガティブになっていく感情に引きずられてしまい、一緒に落ち込んでいくと、それは傾聴ではなく“共依存”になってしまうそうです。
 なので、気持ちを受け止めて傾聴することが大事ですが、一緒に落ちていかないようにすることが大事で、むしろ引き上げてあげるようにすることが大事だそうです。

 ただし、6のとおり安易な励ましに走ってはダメだそうです。
 その為にも7の十分な説明という事が重要になってくるんでしょうね。

 そして、こうやって傾聴することや説明することができるのも、ベッドサイドで一定時間を確保して患者さんと接することができる鍼灸師の得意分野になります。

 がん患者さんにとって鍼灸師は、“国家資格者として、守秘義務を課せられていて、それでいて比較的長い時間話をすることができて、身体のケアをしてくれる存在”になれるんですね。

 最後に、緩和ケアへの適不適ですが、ざっとまとめると以下の通りだそうです。

 ・適応時期
  初期から中期の方が効果が高いことが多い。
  中期以降も効果はあるが持続時間は短い。
  末期には他の治療法がない場合は唯一の方法となることもある。
   ↑飲食ができず薬も飲めない状況とかになると、皮膚刺激の鍼灸くらいしかアプローチがなくなってくる事も。

 ・適応
  痛み、だるさ、コリ、不快感、食欲不振、軽度の浮腫、イライラ、不眠など

 ・要注意
  激しい疼痛(痛み)、強度の腹水、白血球・血小板の減少。

 治療を行う歳には以下の注意が必要だそうです。

 【治療導入のコツ】
  ・鍼治療導入時の強い刺激は無謀。
  ・初めは軽微な刺激から。
  ・徐々にドーゼ(刺激量)をあげる。
  ・全身的な随証治療を加味。
  ・説明を十分に。

 “随証治療”というのは聞き慣れない言葉だと思いますが、これは“証”に“随った”治療という意味で、現代医学的な検査結果から考えられる原因とか、出ている“症状”に合わせた治療ではなく、“証”という患者さんの体質や病気の深さや勢い、全身の状態を東洋医学的な観察と考察で把握して決めるもの随って治療をするという意味です。
 “陰陽、虚実、寒熱、表裏、気血水”といった概念で現在の身体の状態を把握して治療をしますので、現代医学的には原因が不明でも、治療する足がかりを得ることができます。
 また、全身的な状態の総括であり、治療はその総括の解消を目指すことになるので、複数の症状に対して、まとめて効果を発揮してくれることもあります。
 まぁ、鍼灸とか漢方とかの特徴の一つともいえるかも知れません。

 一般には、“全身治療”というような言葉でお話をされている鍼灸師が多いと思います。
 当院で行っている“積聚治療”も東洋医学的な全身治療であり、この随証治療にあたります。

 鍼灸院では、このような事を注意したり勉強したりして、がん患者さんへの緩和ケアを実施しています。

 昨日の記事とも合わせて、がん治療の中での鍼灸院が果たせる役割というものを頭の片隅においておいて頂けると幸いです。
posted by こてつ at 20:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 鍼灸師会

2017年04月24日

(公社)富山県鍼灸マッサージ師会 第1回学術講習会(砺波支部)に参加してきました。

 平成29年4月22日(日)10時から、砺波市の曳山会館にて開催されました、(公社)富山県鍼灸マッサージ師会第1回定期学術講習会(砺波支部)に参加してきました。

 演題「がん患者のための鍼灸治療〜QOLの向上を目指して〜」
 講師:はり灸夢恵堂 津田昌樹先生

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↑演題に立たれる津田先生(カメラ目線)

 参加者は20名程度で、やはり砺波・高岡・南砺方面の先生が多かったです。
 また、若い先生の参加も多く、金沢医療技術専門学校の学生さんも参加されておられました。

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 ↑会場の様子
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 ↑会場の様子(比較的若い方が多いです)

 講演は、まずフロアに「自分は将来がんにかかるかも知れないと思われる方は?」という問いかけがあり、私を含めて2名ほどが手を挙げただけでしたが、ここから実際のところ、自分ががんにかかる(かかわる)と思っている人は案外少ないが、実のところ“生涯で2人に1人ががんに罹患”し、また“生涯に男性は4人に1人が女性6人は1人ががんで亡くなる”とう統計データのお話からのスタートになりました。

 こういう数字を見ると“がん”ってものが案外身近な病気なのだと再確認させられますね。
 さらに、これが保険屋さんのセールストークならここでがん特約をたたみかけるところですが、ここは鍼灸師向けの講習会ですので、人口の2人に1人はがんにかかる=鍼灸院にこられる半数の患者さんは「がん」にかかるか、過去にかかった経験があるか、今現在治療中かと考えらる→つまりがんは決して鍼灸院に縁遠い病気ではないという導入でした。

 さて、その縁遠くない鍼灸院が、がんに対してどう関わって行けるかという事ですが、

 1,体調管理(がん予防)
 2,がんそのものの治療
 3,がんの治療期間の体調管理
 4,治療の副作用の軽減
 5,再発予防
 6,緩和ケアとして
 7,周囲の方への治療
 
 というような事が考えられます。

 ただし、この中の1,2と5については、鍼灸師側として“良い”“良さそう”という感触はもっているものの、これを裏付けるデータや研究は現状ではありません。
 これは、研究が疎かにされているという訳では無く、そもそも倫理的な観点から研究の実施が難しいものだからです。
 例えば、鍼灸ががん治療に効果があるか?という研究をしようとすると、鍼灸しかしない患者さんの集団と標準治療しかしない集団を作ってどの程度の治癒率があったか?というような研究をすることになりますが…これ、研究の為にあえて標準治療をしないって事をしなきゃいけないわけで、それって助けられたかも知れない人を見殺しにしたって事になりかねないわけですよ。
 論文だけ読めば、治らなかった人の数字になるんでしょうけど、自分がその治らなかった人のプラス1とかになると思ったら、こんな研究つきあえませんよね?
 そんな訳で、実際のところ鍼灸でどのくらいがんを治せるか?とか、鍼灸だけでがんを予防できるか?って言うのは、研究すること自体が難しいので、これを証拠・エビデンスを背景に患者さんにお薦めすることは実際の上は難しいことです。
 まぁ、感覚の世界、印象の世界としては、予防にも治療にもとても良い効果を発揮してくれそうなんですけどね。

 なので、病院とも連携しつつ、患者さんに鍼灸を利用してもらうにのに有効なのは、3,4、6,7の以下の4つになります。

 3,がんの治療期間の体調管理
 4,治療の副作用の軽減
 6,緩和ケアとして
 7,周囲の方への治療

 抗がん剤の吐き気を和らげるとか、長く病症に伏していて、あまり身体を動かさないことからあちこち緊張が強くなったりして肩や腰や背中がつらくなったりするのを楽にしたり、胃腸の動きが悪くなってくるのを少し刺激して動くようにして食欲を増進させて食べられるようにして体力の維持をおこなったり、特に胃腸に関しては実際飲み食いが出来なくなると口から薬を飲むことは出来なくなりますので、薬ではない対処法として、身体を刺激してアプローチできる鍼灸というのは色々と有効に使える場面があります。

 緩和ケアとしては、過去には末期のターミナルケアに移ってからが緩和ケアの開始とされていましたが、現在はがん治療のスタート時点から緩和ケアが介在するようになってきていますので、ターミナルケアに居たる以前の段階のなかでも、身体的な苦痛や精神的な苦痛に各々の段階で苛まれていく患者さんを支えていける要素を鍼灸師はもっています。

 あと、忘れられがちなのが、“周囲の方”つまりご家族やご友人などのケアにも鍼灸は力を発揮します。
 がん治療は長期化することが多いですから、長期のストレスや病院通いによる単純な疲労なども鍼灸でケアできます。

 なお、このブログは患者さん向けのブログなので、専門的な事や鍼灸師が気をつけなければならないことについてはスッポリ割愛します。

 で、色々飛ばして患者さんに知って頂きたい事が“がん患者における鍼灸治療の有用性と特徴”です。
 以下が、講師の津田先生が挙げられた有用性と特徴の一覧です。

【がん患者における鍼灸治療の有用性と特徴】
 ・現代医学と視点が異なる。
 ・漠然とした症状も対象となる。
 ・診断できないものや現代医学的治療のないものにも対応出来る。
 ・快適な刺激
 ・飲食ができなくてもアプローチできる。
 ・介入する刺激の量を無制限にその場でコントロールできる。
 ・皮膚接触が多い。
 ・共感しやすくコミュニケーションがとりやすい。
 ・ベッドサイドに滞在する時間が長い。

 ちなみに、この特徴はがんケアに限ったことではありません。
 これらは、そのまま一般的な鍼灸治療の有用性であり特徴です。

 また逆説的に“鍼灸の効果”を挙げてみると…
 【鍼灸の効果】
 ・肩こり・腰痛・関節痛等−運動器の症状
 ・疼痛やしびれ等    −神経症状
 ・更年期障害や冷え性  −自律神経症状
 ・疲労や倦怠感     −体調管理
 ・虚弱体質 健康増進  −免疫力の向上
 ・診断のつかない症状  −不定愁訴
 ・老年期の諸症状    −退行性病変
 ・ストレスによる症状  −不安に伴う症状

 と、今度は一般的な鍼灸の効果を挙げてみますと、これらを右の様に言い換えてやると、これらは全てががんの緩和ケアで遭遇する症状でもあります。

 つまり、がんケア(緩和ケア)といっても、特殊なことではないんですね(“注意する事”はありますが)。

 病院での標準治療を邪魔するような事もありませんし、最近は抗がん剤治療も通院で行う事が増えてきてますから、がんの診断を受けられたら、病院での治療に並行して、鍼灸院でのケアも並行して受けて行かれることを検討されても良いんじゃないかと思います。

 ちなみに、私の同居している伯母が、平成13年頃に子宮頸癌のステージ3後半、もうステージ4ギリギリ入口みたいな状態から、3ヶ月の抗がん剤治療、子宮の全摘出手術を受け、先年この子宮頸癌については、担当して頂いた中央病院の婦人科部長さんの退任直前に卒業させて頂けました。
 まぁ、その直前に左の乳房に乳がんが見つかり、乳房全摘出の手術を受けないといけなかったりもしたんですが、こちらは子宮頸癌よりは遙かに初期でしたので現状がんについてはほぼ問題無い状態にあります。

 伯母といっても、私にしてみれば育ての母親なので、入院生活を支えるためにほぼ毎日病院前通って着替えを運んだり、当時まだ実家の工場が仕事をしていたので、事務仕事を持ち運んだりしてましたので、ついでに“てい鍼”という刺さない鍼を使って、時には患者着の上から施術をして、抗がん剤の吐き気を抑えて寝かしつけてくるような事をしていました。

 もう随分前の話なので、今当時伯母がうけたがん治療のついての知識や経緯はあまり参考にはならないと思いますが、期せずしてかなり危うい段階の癌患者のもっとも近しい家族の立場を経験させてもらいました。
 同時に、鍼灸師としても緩和ケア的な事をさせてもらえて良い経験になったと思います。

 がんの緩和ケアにも鍼灸が有効というのは、知られているようで知られていない事のように思います。

 これを読まれている皆さんも2人に1人はがんを経験するらしいので、頭の片隅に鍼灸も良いよってことを覚えておいて頂けたら嬉しいです。
posted by こてつ at 13:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 鍼灸師会

富山市鍼灸マッサージ師会総会に参加しました。

 29年4月22日(日)の午後2時から、富山市鍼灸マッサージ師会の総会に参加しました。

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↑総会の様子

 当日は、富山市議会選挙直後の総会ということもあり、先年の補欠選挙で富山市議になられ、今回の市議会議員選挙でも見事再選を果たされました、高田真理富山市議会議員さんもご挨拶に駆けつけて下さいました。

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 ↑挨拶される高田市議会議員

 また、今回は役員改選があり、2年前の前回の改選時に、会長を退任したいという意向を示されていた林会長が退任され、新たに私と同じ地域の呉羽区の河合由昭先生が新会長に就任されました。

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↑挨拶される林前会長

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↑挨拶される河合新会長
 また、これに伴って、空席になる副会長にこれまで監事を勤めて頂いていました、これもまた呉羽区の竹元泉先生が就任、空席になる監事に林前会長が就任されるというスライド人事になりました。

 実は、もうお一方の副会長さんも呉羽区の先生で、呉羽区の先生で会長・副会長2名を占める体制になりました。これが地方行政や国政だったら色々言われそうですよねぇ。
 ついでに、私に庶務部長やらないか?という声もあったんですが、謹んで自体させて頂きました。
 役員の過半数が呉羽区っていうのもなんですし、それ以前に日鍼会の青年委員会業務に、県の理事業務や富山鍼灸学会の総務部長の業務もあるので、ちょっとキャパシティー的に無理って事もあるので(それが分かって頂けているので、現在の金谷庶務部長は、ご自身も県師会の事業部長職でお忙しい中、富山市の庶務部長を兼任して頂いて居ます。ありがたいことです)。

 その後、会場を2階会議室に移し、簡単な懇親会を行いました。
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 以前は、ここで小宴を開いて2時間ほど時間を潰し、そこから駅前に飲みに行くパターンが多かったんですが、年々会員数も減少し、参加者も減り、全体的に高齢化が進んでいることもあって、最近はこの小宴だけでお帰りになられる先生も増えてきました。

 まぁ、無茶なお酒の飲み方をするより良いのかも知れませんね(消費は冷え込みますが…)。

 全般的に、人口減少にともなってどこも組織は縮小傾向ですから、これからはどうやって上手くコンパクトに組織運営をしていくかが課題かも知れませんね。

 河合新会長の元、その辺りも色々と工夫していかないと行けないのかも知れません。
posted by こてつ at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 鍼灸師会

2011年01月25日

「カフェ」化進行中

 12月の末に、ユニマットライフさんから、ブリュースターのキューリグコーヒーシステムを導入しました。

 ブリュースター、キューリグ・エフィー株式会社のサイト

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 ↑キューリグコーヒーシステムとKカップ


 これは、一杯取りのドリップコーヒーを入れる製品で、Kカップと呼ばれるコーヒー豆とフィルターがセットになっているカップを選択することで、いろいろなコーヒーやお茶などを入れることができるシステムです。

 これを問診・相談スペースに置いてあったポットとティーバッグのお茶セットの所に導入しました。

 結果、患者さんから「なんだかカフェ化してきてますねぇ」と言われちゃいました。

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 ↑キューリグシステムとサイドテーブルを入れて「カフェ化」した問診・相談スペース

 元々はコーヒーを入れるための機械だったそうですが、同じ仕組みでお茶も入れられるということで、当院では今のところコーヒーよりもお茶が多く仕入れてあります。

 現在選んでいただけるお飲み物は、

 [コーヒー]
  オリジナルブレンド
  レインフォレストアライアンス認証ブレンド

 [お茶]
  ダージリンブレンドティー
  シャンピン烏龍茶
  玉露入り緑茶
  ジャスミン茶

  上記の6種です。

 ただ、実際飲んでみるとコーヒーも結構美味しかったので、2月からはコーヒーの種類も増やします。

 予定では、
 [コーヒー]
  オリジナルブレンド
  レインフォレストアライアンス認証ブレンド
  ブルーマウンテンブレンド
  ハワイコナブレンド
  キリマンジャロAA100%
  マンデリン100%
 
 [お茶]
  ダージリンブレンドティー
  シャンピン烏龍茶
  玉露入り緑茶
  ジャスミン茶
  有機栽培紅茶(アッサムティー)

 以上の11種からお選び頂ける予定です。
 まぁ、ユニマットさんが在庫を確保できなければいくつか欠けるかも知れませんが・・・

 商品ラインアップとしては、導入を見送った物の中に

  イタリアンロースト
  フレンチロースト
  炭焼珈琲
  深炒クリアテイスト
  有機栽培珈琲
  カフェインレス

 の6種のコーヒーがあります。

 深炒クリアテイストはアイスコーヒー向けらしいので、夏には入れるかも知れません。
 カフェインレスは、合ってもいいんですが、味見したらものすごく酸っぱいコーヒーだったのでちょっと迷ってます。

 イタリアンロースト、フレンチローストは味見してみましたが、今ひとつ面白くなかったので止めました。

 コーヒー・紅茶用のお砂糖には、ミネラル豊富なきび砂糖と、カロリーオフとのラカントSをご用意しました。
 クリームは乳製品のクリープです。

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 ↑Kカップときび砂糖、ラカントS、クリープ

 上の写真のように、Kカップはホルダーに入れてありますので、これをくるくる回して選んで頂くことができます。

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 ↑こんな感じでKカップを入れて使います。

 上の写真のように、Kカップをキューリグに挿入して、お好きなお飲み物を抽出して飲むことができます。

 施術後に、本格的なドリップコーヒーや紅茶・ジャスミン茶などで一服していってください。
posted by こてつ at 19:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 鍼灸院

2011年01月17日

(社)富山県鍼灸マッサージ師会の新年総会に出席してきました。

 1月16日(日)に、高志会館で開催されました(社)富山県鍼灸マッサージ師会の新年総会に出席してきました。
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 ↑新年総会会場

 当日は15日から降り始めた大雪の影響で、朝8時から午前中一杯除雪作業をしてからの参加で、ちょっとへろへろになりながらの参加でした。

 新年総会には毎年参加していますが、富山支部の会員は支部から補助も出るので、ちょっとだけお得にご馳走が頂けます。

 パーティー料理ですから、熱々の料理が出てくる訳もないのですが、高志会館のお料理は割と美味しい方なので、最近新年総会も楽しみになってきてます。

 もっとも、最近色々忙しくなってきて、他の先生方とお話ししている時間の方が長く、のんびりお料理を味わえなくなりつつありますが(^^;)。

 ちなみに、この新年総会には、富山県医師会の会長さんや、特別顧問になっていただいている県内の議員さんもご招待させて頂いています。

 今年は、医師会の会長さんが、子供の頃から掛かり付けの岩城先生だったので、なんだか不思議な気分でした。
 小さい頃から見てもらってるお医者さんとお酒の席で一緒になるって言うのも妙な気分です。

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 ↑ご挨拶される県医師会会長の岩城先生

 その他、特別顧問になっていただいている議員の先生方からもご挨拶を頂きました。

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 ↑ご挨拶される長勢甚遠議員

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 ↑ご挨拶される宮腰光寛議員

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 ↑ご挨拶される橘 慶一郎議員

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 ↑ご挨拶される野上浩太郎議員

 そういえば、数年前に長勢議員が法務大臣だったときは、会場のあちこちにSPが居てなかなか物々しかった覚えがあります。
 あれは富山県警のSPさんだったのかなぁ・・・

 そういえば、毎年コンパニオンさんをお呼びしているんですが、今回は私がiPhoneを使ってたら、「かっこいい〜」とちょっとモテました。う〜ん、コンパニオンさんがおべっか使ってくれる程おじさんになりましたかねぇ(^^;)。

 2次会も同じ高志会館内にある「リトル上海」という中華料理屋さんで行われましたが、なかなか美味しいお料理でした。
 今度ランチでも食べに行こうかと思います。

 最高気温が0℃から-1℃という過酷な一日でしたが、楽しい新年総会でした。
posted by こてつ at 19:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 鍼灸師会

2011年01月14日

美容鍼灸を約1年間受けた患者さんの写真

 昨年、経過写真でお顔の変化をご紹介した患者さんが、当院で美容鍼灸を始められて約1年が経過しましたので、1年前と今のお顔を並べた写真を掲載します。

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 ↑平成21年12月30日と平成23年1月6日のお顔の比較写真です。
 なお、21年のものは全く治療する前、23年のものは撮影当日に治療した直後の顔です。

 いかがでしょうか?
 平成21年12月30日から平成23年1月6日まで治療は31回行ってます。
 なお、初診は21年12月30日でしたが、その後3ヶ月ほど雪などの影響で通院を開始できなかったので、実際に継続して治療を開始したのは、22年3月6日からです。ですから実質的な通院期間は9ヶ月ほどになります。
 途中、1ヶ月程来院できない時期があったりもしましたが、現状はこの通りです。

 細かい事を言えば、表情が少し違っていますし、ライティングも違ってます。またフェイスラインと首・肩の位置関係を見てもらうと顎の角度も違っているんですが、そういう事を差し引いたとしても、23年現在のお顔の方が若い印象ですし、綺麗ですよね。

 他の美容鍼灸を受けて頂いている患者さんにもこのお写真はお見せしているんですが、

 「どこがどう変わったとは一言では言えないけど、ものすごく変わっていることは解る。」
 「今の顔の方が華やか。」
 「1年経ってる筈なのに、今の顔の方が若い!」

 との感想を頂きました。

 少しだけ解説すると、頬、フェイスライン、目元が頭部に向かって上がっている事がおわかりになりますでしょうか。

 また、額やまぶたを見ていただくと解りますが、むくみもとれてさっぱりしています。

 目元のクマはまだうっすら出ていますが、21年12月の目元のたるみは23年現在ではなくなっています。

 また、肌の弾力が増したためか、お顔全体の肌が均一にピン!と張っている感じがあるが解るでしょうか?

 実際、肌質は随分良くなったそうで、ファンデーションの使用量が格段に減ったそうです。また、血色も良いのでチークもあまり使わなくなったとか。その結果化粧時間も短縮されたそうです。

 ちなみに、昨晩も施術させて頂きましたので、最新の写真をもう一枚。

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 ↑23年1月13日の施術前後です。施術前→施術後の順で並んでます。

 睡眠不足もあってか、治療中完全寝入っていたのでちょっと眠そうな顔ですね。
 それでも、施術後の方が頬とフェイスラインが上がってむくみがとれてるのが解ります。

 なお、この患者さんの施術経過をご覧になりたい方は下の記事を参照してください。 
 22年7月頃までの経過を追った記事です。

 『Body+』8月号に掲載された患者さんの経過写真。考察その1

 『Body+』8月号に掲載された患者さんの経過写真。考察その2

 継続することで、現状維持を少しでも長くできれば、非常に高いアンチエイジング効果を発揮していると言えそうです。

 たるみ、むくみ、法令線が気になり始めている方は、是非一度当院の美容鍼灸を受けてみて下さい。

 本町北はり灸院
 〒930−0144 富山県富山市呉羽町住吉744
 電話:076-427-0425
 受付時間 平日  9:00〜12:00 16:30〜19:30
      水・土 9:00〜13:00 午後休診
      日曜祝祭日 休診
 初診料  2,000円
 美容鍼灸 7,000円
 予約制:お電話、メール、フォームからご予約下さい。

 当院の美容鍼灸については詳しくはこちらをご覧下さい↓
 http://www.kita-sinkyu.com/beauty/index.htm
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2010年09月06日

定期学術講習会に参加してきました。

 9月5日(日)に、(社)富山県鍼灸マッサージ師会主催の定期学術講習会に参加してきました。

 演題は「経絡ストレッチとチェアエクササイズ」
 講師は神奈川衛生学園専門学校東洋医療総合学科主任 朝日山 一男先生でした。

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 ↑講演される朝日山一男先生

 講演内容は、大雑把に言えば経絡ストレッチと、介護予防として(社)全日本鍼灸マッサージ師会が推奨している「ゼンシン体操」の指導でした。

 経絡ストレッチは、腰や首を前後左右に動かしてみて、動きにくい方向の経絡を意識してストレッチして柔軟性をつける物で、しっかり行って行けば例え70代の人でも、前屈をして手のひらが床に付くようになるそうです。

 指導されたようにストレッチをしてみると、如何に太ももの後ろ側の筋肉がガチガチに固くなっているのか解りました。

 首のの運動では肩周囲の緊張もわかるので、腕のストレッチをすることで首回りの緊張も抜けやすくなります。

 チェアエクササイズは、ゼンシン体操の中にも取り込まれている1つで、椅子に座ったままできる運動です。

 これも毎日続けていくと立ち上がる筋肉や身体を真っ直ぐに起こしておく筋肉などを弱らせないようにすることが出来ます。

 詳しく解説したいところですが、ブログ上ではなかなか難しいので、気になる方は是非下記のURLからゼンシン体操のポスターをダウンロードして御利用下さい。

ゼンシン体操ポスター
http://www.zensin.or.jp/04_gakujyutu/zensin_logfile/13_1.pdf

 ストレッチや介護予防運動の良い勉強になったと思います。
posted by こてつ at 19:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 鍼灸師会

2010年08月30日

(社)全日本鍼灸学会中部支部学術集会in静岡に参加してきました。

8月29日(日)。前日の28日から静岡入りして、東静岡駅前の静岡県コンベンションアーツセンターで開催された、(社)全日本鍼灸学会中部支部学術集会in静岡に参加してきました。

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↑会場の様子

 大会テーマは「神秘から当然へ、可能性から現実へ〜鍼灸刺激は人体に何を発現させるのか〜」でした。

講演は、

1,「スポーツ鍼灸の研究と教育・臨床への応用」(10:10〜11:40)
 講師:明治国際医療大学鍼灸学教室 教授 片山憲史先生

2,「うつ状態・うつ病への鍼灸治療」(13:00〜14:30)
 講師:いずみ医院、東海医療学園専門学校非常勤講師 岩泉瑠實子先生

3,「スポーツにおける肩関節、肘関節障害の診断と治療」(14:40〜16:10)
 講師:日本鋼管病院リハビリテーション科部長
    東海医療学園専門学校 非常勤講師   渡邊幹彦先生

 の3本立てでした。

 内容が多岐にわたるので印象的だったことをいくつか挙げると、

・鍼灸師の資格を持つ物が既にトレーナーの中の50%に達している。
・トレーナーが日常的に鍼灸治療行う事は少ないが、いざというときに治療が出来る技術があるのは強みである。
・スポーツコンディショニングへの鍼灸の応用は、言葉の印象は悪いが、「非薬物的なドーピング」と言えるほど効果がある。
・遅れてくる運動後の筋肉の痛みは、鍼をして2Hzの通電を10分行うだけで早く症状を出して痛みが引くようになる。

・精神科から入ったが、上手く言葉を使えない人がいた。言葉を使わなくても治療する方法はないかと考えて鍼灸マッサージを取り入れるようになった。
・子供のうつが増えている。
・虐待を受けている人は言葉を封じられている。言葉を封じられるとストレスが身体症状に表れやすくなる。その結果不定愁訴を訴える患者さんも多い。
・虐待を受けたことがある方は身体に触れられるこ事に過敏になっていることがあり、鍼のような金属製の固い物に抵抗を感じる人もいるので注意。
・うつによる自殺は自殺者3万人の70%に達する。
・リストカットは酷くなると手首から肘、上腕→首へと上がっていく。

・スポーツ障害の考え方は、使いすぎ(OverUse)から使い方(mal-use)の問題なのではないか?と考えられるようになってきている。
 つまり、車の耐久性の問題か運転が下手くそか?
 ヘボが運転した方が壊れやすい。
・最近は90%以上のスポーツ障害が使い方の問題で起こっていると考えられる。
・病院に行くとすぐに手術となることもあるが、その前にトレーナーがきっちり使い方を教えて行く事が大事。

 実技公開があったり、もっと詳細な分類の話しなどもありましたが、比較的印象に残ったのはこんな所です。

 スポーツ障害についても、非常に鍼灸が良く効くことが解ってきていて、それを応用する研究や教育も進んでいるようですし、障害が起こる機序も以前とは考え方が変わってきているように思いました。

 よく、ゴルフに行くが、ゴルフ前に治療を受けた方が良いか?終わってから治療を受けた方が良いか?と質問を受けることがありますが、ゴルフ前にコンディショニングの治療を受けて、ゴルフ後に筋疲労回復の為の治療を受けるのがベストという答えになります。

 あと、可能ならレッスンプロについて、正しいスイングをしっかり身につける事ですね。そうすると、自分の身体の使い方をとちることが少なくなるので壊しにくくなります。

 5時間近くかけて静岡まで行った甲斐はあったかなぁ〜と思えある良い学術集会でした。

 帰りの電車で食べた静岡駅の鯛飯も美味かったですよ(^^)。
posted by こてつ at 18:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 鍼灸師会